ずっと真夜中でいいのに。/今は今で誓いは笑みで を聞いて

2019-06-16

6/12。水曜日といえば、音楽界隈では常識ですが、CDが店頭発売する日です。それに伴った火曜日は、通称フラゲ日と呼ばれ、熱心なファンたちは火曜日の仕事終わりにCDショップに行くというもの。

それはさておき、6/12に発売したCDを久しぶりに購入したので、軽い自己満足レビューをば。

“ずっと真夜中でいいのに。”の新譜、『今は今で誓いは笑みで』です。

ずっと真夜中でいいのに。

ずっと真夜中でいいのに。(以下、略称ずとまよ)は、2018年から活動している音楽ユニット。

…詳しく書きたいんですけど、本当にミステリアスな存在でして、メンバーで明かされているのがフロントマンのACAねさんのみ。作詞・作曲とボーカルを担っていて、ギター、ベース、ドラムなど全然わかっていないです。お顔もあまり明かされていないので、ライブの写真なんかが少し上がっているのが確認できるくらい…。

以前僕の個人コーナー、Thinking about.#5でも取り上げたんですが、ずとまよの楽曲『秒針を噛む』がものすごく僕に刺さりまして。余談ですが、それと出会ったのも、同じアーティストのファンの友達とカラオケ行ったときに聞くという、僕からしたら完全に棚からぼた餅の曲だったことを覚えています。「なんだこのかっこいい曲は。」と。

そんなずとまよの新譜が出た、ということなのでフラゲこそできなかったですが、アルバムを購入。木、金と営業中に聞くことができ、ある程度”みんなに知ってほしいなこれ!”となったので、まとめてみます。

新譜:今は今で誓いは笑みで

今回のアルバムはミニアルバムということもあり全6曲構成。また、それぞれのinstrumental(オフボーカル版)も収録されています。改めて言いますが、作詞曲には共通してACAねさんが参加しています。それぞれで述べるのは、さらに参加している人。

あと、改めて言いますけど音楽はほとんどわからないんで、文章に起こそうと四苦八苦しているんでご了承を。

勘冴えて悔しいわ

作曲:ラムシーニ/100回嘔吐 が参加の一曲目。“トゥルトゥルトゥールットゥ”という上機嫌なメロディとピアノから始まり、早口で畳み掛ける歌詞からスタート。『「君のことじゃないよ」気のせいにしたいよ』など、韻を踏んでいる部分も多く、歌詞の印象も増していく曲になっています。

サビではACAねさん特有の“甲高い”声が印象強くなります。個人的には1、2サビでは”ゲラゲラ“がラストサビでは早口で同じスペースに“ゲラゲラゲラ”と3回になっているのが好きです。

正義

YouTubeにMVがある一曲。編曲にJazzin‘parkの久保田真悟氏の参加。
どこか懐かしいリコーダーのような音から始まるこの曲は、ずとまよの魅力である不思議な寂しさを纏っている印象。
Cメロの『近づいて遠のいて探り合ってみたんだ』の高低のかけあいパートが好きです。1周聞いた時うおっ!と思って戻しました。こういうパート大好き。ほかにどんな曲があるかと言われたらわかんないですけど、すごく僕の琴線に触れました。

またね幻

編曲に加藤冴人(共作として)/100回嘔吐 が参加。
ずとまよは『秒針を噛む』然り、『勘冴えて悔しいわ』然りアップテンポめの楽曲が代表スタイルなのかなと感じていたのですが、1作目アルバム『正しい偽りからの起床』でも多かった、ゆるくも儚げな楽曲が多いんだな、とこのアルバムを聴いていてやっと感じました。

この『またね幻』も同様に、緩く儚げだけど奥底にある力強さを確かに感じる楽曲でした。
“いつか叶えられる果て辿り着けないよ/ふとよぎるたび歌にしまうんだよ”
など、この人の思いの、感じ方の表現の方法が歌なんだな、と些細にも感じられます。2サビ後のギタースクラッチなんかはライブとかで映えそう。

マイノリティ脈絡

編曲に煮ル果実が参加。
どうでもいいですけど、僕個人的に”脈絡“っていう単語が好きで。どうでもいいですね。
この曲も1曲目同様、韻を踏む/口早く捲したてるようなパートが多くあります。

他の楽曲に比べてサビ部分後半のパートがえらくシンプルなのもちょっと気を引くポイントなのかな。脈絡が整った、とでも言っておきましょうか。歌詞に“喋ろ”“もうっ”なんてのが何気なく入ってるのも面白く感じました。

アウトロで“レイラ”って言ってるように感じましたけど、『秒針を噛む』でもありましたよね…、ミスリード誘われているのか、共通の何かなのか…

彷徨い酔い温度

TwitterにACAねさんが挙げていた不思議なリズムの一曲。Open Reel Ensembleという楽曲集団も参加し編曲を行なっております。
曲名を音読みしていると若干気づくかと思いますが、曲を通して音頭のような祭囃子のリズム、お化けが出たときのSEみたいなものが採用されていたりと、和風テイストが強いゆったりとした一曲です。

ワニになったり朱鷺になったり蟹になったり、挙げ句の果てには粉になったりしますが、いつの日か忘れてしまう…、地味にダメージくる歌詞ですね。忘れるという単語の物寂しさ、どうにかならないんでしょうか。

眩しいDNAだけ

こちらもMV配信されている一曲。『秒針を噛む』もそうですが、僕が大好きなボカロ曲『フラジール』の作者ぬゆり氏が編曲で参加している一曲です。

MVはsakiyamaさん。1枚目アルバム『ヒューマノイド』と同作者です。不思議で退廃した町の雰囲気が得意そうなイメージ。

そんなMVのイメージも相まって、どうも入り込んでしまう一曲になっています。『フラジール』もそうなんですが、あと一歩で壊れてしまいそうな儚さ…、もとい、脆さが垣間見える印象を強く持ちます。ACAねさんの歌声が完璧と言っていいほどマッチしていることを、改めて感じる一曲です。

通しでも、単体でも。グッと握りしめる。

最近アルバムを一曲通して聞く、ということを増やしてきました。KING GNU『Sympa』でのメディアで見たんですが、プレイヤー等々の発展で、全曲をシャッフルして聞くことが多いけど、アルバムという1枚単位での展開を楽しんでほしい、というようなことを見かけました。
それまでも借りてきた・買ってきたアルバムは1度は通しで聞くことはあったんですが、2、3回目以降はシャッフルの単体に成り下がることが多々ありました。

そんな中、このアルバムはずとまよらしさが溢れている一枚で。1〜6、終わればまた最初から、と聴きたくなる魅力がたっぷり詰まっている一枚です。特に、1曲目の『勘冴えて〜』のイントロが無限リピートの引き金を簡単に引いてくれる。

とかく、いいアルバムだなぁと安易に感じられる一枚でした。力強さに元気をもらいながら、自分の考えをグッと握りしめる。そんな一枚。

余談ですが、この記事を書きながらライブを申し込みました。危ない忘れてた。行けるといいなぁ。