こんばんは。
去年の6月末、新卒で入社した文具メーカー”キングジム”を退職し、現在は渋谷の会社でマーケティングの仕事をしています。仕事と言いながら、勉強させてもらっている形も少し含まれています。
気づけばもう7月1日ということで、今の会社に入社してからちょうど1年が経過しました。こわいですね。『勉強させてもらっている』という言葉通り、必死に食らいついていったら気づけばこんな…というところです。
まぁ、丁度いい頃合いですので、なんで転職したの?というところと、転職してどうだったの?というところについてまとめてみようかなと思った次第です。
同じくらいの年齢の友人たち(それも前職・同業他社あたり)がかなり迷い始めている・辛くなっているということを小耳に挟んでいるので、多少なりとも参考になればなぁ、なんて思い噛み砕いて書いていきます。
※なお、できる限りオブラートには包まず書いてみようと思っているので、表現が刺々しい可能性もあります。悪意や他意はなく、できる限りちゃんとお伝えできればなと思います。
前職をなぜ辞めたか編
業界での自分の将来の見えなさ
これを書くと就活ミスってるやんけって言われるのが目に見えているんですが、ぶっちゃけその通りですね。
はい。僕は就活うまいこといってないっす。まずは前提からお話します。
大学時代では教員免許の取得を軸に過ごしておりましたが、まぁ紆余曲折あり教職を挫折。
唐突に就活を行うという流れになっていたので、なにか”こういうことをやりたい”という意思が他の友達に比べかなり低かったと思います。ただ、就活の特性上あとからやろうと思っても余り物しかないのも事実。
であれば、自分の好きなものに携わる仕事をしよう、と考えて就活を行っていました。
具体的には、ゲーム系の企業だったり、学部的なところで学んだ知識を持って銀行系を受けてみたり。とにかく、入ったあとに少しでも”売ることに抵抗がない商材を取り扱うところ”に絞って受けていました。この時点で視野が狭い感じですね。
さて、話がそれました。そういう軸で受けて無事に通ったキングジム。
1年目から大型チェーン店や書籍店の本部などを中心に担当させてもらい、文具が好きなのもあって、自社から新しく出る商品にワクワクしながら営業に回る、という動き自体はかなり楽しかったです。入社直後の先輩にも恵まれて、毎日楽しく通勤していた気がします。
で。2年目になった頃、1年目の担当を外れて、いわゆる地域まるごとの担当になりました。区分としては多摩地区。東京の23区以外、と言えばわかりやすいでしょうか。
ビジネスにおいて、1年目の担当:文具では店頭店と呼ばれる形態というものは、売上の規模でいうと小さくなります。それは店頭店の仕事をないがしろにしているわけではなく、BtoB:文具では納品店と呼ばれる形態の取引規模が莫大に大きいから、ということに他なりません。
上記の画像を見ての通り、文具以外も含めてですが、BtoBの市場規模はtoCよりもおおよそ20倍の規模があります。
…いわば、ここを担当することがほぼ出世への近道、主に携わることになる業務形態といっても過言ではありません。
まぁそんなこんなで、2年目はその納品店系統も少し担当し始めるようになります。地区担当かつ納品店担当。例としてでいうと『この地域の学校に対して、うちのファイルを納品するために、代理店・販売店さんに売ってもらえるよう日々営業を行う』…みたいな流れだったりですね。あくまで一例ですが。
さて、上記の『販売店さんに売ってもらう』という部分についてですが、ここがかなり色々あります。
特価を出せるかどうか、みたいな金銭面ももちろんありますが、大きい判断基準として温故にされているかというものがかなり強い業界でした。言い換えればそうだな…、いい関係値かどうか、もっと簡単に言えばよく挨拶にくるかどうかレベルです。
正直他の業界もそういうことが大事、というかビジネスに於いていい関係値かどうか、という部分は大前提大事である、というところは承知の上で。
挨拶に来てるかどうか・特価出せるかどうか みたいなしきたりだけで保っている業界ってこの先の変化についていく気はあるのかな、なんて思い始めてから、これからもずっと文具営業というある種のスキルで、『将来的に僕はどうやって生きていくんだろうか』、と将来がかなり不安になりました。
あ、いやまぁ挨拶って言ってますがしっかり話すネタとかを用意して回るのはもちろんですよ。例えば別の受注事例とかを持っていって、販売店さんのところでこんな感じのお客さん持ってらっしゃらないですかね?みたいな。
そういった、各販売店さんの特徴を捉えながら、適した情報を持っていく…といった進め方自体は(ゲーム的に)楽しんでいました。
…あとは細かい話ですが、給料はかなり低めで、正直そこまで大きく伸びが期待できなかったこともあります。
福利厚生はかなりしっかりしています(家賃補助が手厚かったり、産休育休などなど)が、そういった意味では将来的なところは不安になったということも理由の一つです。
気が滅入っていた
これは悪口になってしまうのですが、文具屋の特性上、かなりお年を召された方が営む文具店が多くあります。
正直、そういった方々の熱量というものは若い方の熱量に比べかなり落ち着いてしまっていて、”今年もこの案件のこの対応しとけばええんやろ“という対応の方が多くいました。
これはあくまで個人的主観ですし、全員が全員ではないです。
まぁ、そもそもが根暗な部分もありますが、(最後の方は自虐的に使ってた言い回しとして)破滅を待つ人たちに染められてしまったのも手伝って、かなりネガティブな感じになっていました。営業としてはあるまじき姿勢です。
書き方で語弊がありますね。良くないです。書き方としてまず1つ目の理由があり、自分自身がネガティブになっている前提があります。
そのうえで、どう手を打っても何も響かない人、が自分への凹みに拍車をかけて、という流れになりますね。
その紆余曲折を経て見事に歪んでしまった僕の心は最終的に、『こんな見ず知らずの土地の利益を生むことになんの意味があるのか』なんて事も考えてました。最後の意志につながっていくわけですけどね。
決して鬱だ、というわけではないのですが、よくないループに陥っていたことは確かと思います。
大阪で働きたいという意志が強くなった
こちらも以前ブログに書いていますので、そこまで包み隠さずではありますが、去年の4月に父に病気が発覚いたしました。
結果としては父は9月に他界してしまったわけではありますが、その4月に”癌が発覚”というLINEをもらったとき、上記2つが自分の心の中には渦巻いていた中、”最後のきっかけ”がこれになります。
1つ目の通り、『将来的に僕はどうやって生きていくんだろうか』、2つ目の通り、『こんな見ず知らずの土地の利益を生むことになんの意味があるのか』なんて考えてしまったところにとどめを刺される形で今の生き方を考える時間と向き合うことになりました。
家族の近くで働きたいというところももちろんありますが、それよりも大阪に育ててもらった手前、よりもっと大阪を発展させていくことに力を使えないかな、と思っていました。
そうやって転職を考え始めた最中、大阪のミスタードーナツのアルバイト時代の先輩と東京でご飯を食べていて、今の仕事を紹介してもらって…という流れで転職させてもらい、新しい仕事を始めることとなりました。
転職してからどうだったのか編
IT・ベンチャー気質に感動した
転職先は一応伏せておりますが、渋谷にある某ITグループ企業のうちの一つです。
仕事としては広告系をやっていますが、メイン事業はそれではない、というややこしい立場です。
で、まぁそもそも前職の文具業界自体がそもそもかなり古い体質である、ということも前提の上、転職先がITでしかもベンチャー気質ですしでまったくもって違うのがすごく衝撃でした。
転職自体もそうですがなにせ未経験転職、こうも違うのか…!と最初の3ヶ月は順応することにかなり時間を費やした気がします。(今考えたら前職のとき定時上がりに慣れすぎて入社直後は定時上がりまくりでした、もっと勉強すればよかったと今更ながら)
たぶん、些細なことかもしれないですが結局の所ITのような業界に憧れがあったんだと思います。
ただまぁベンチャーと言うにはいささか人数がいるので、本当の本当のベンチャーよりは全然ぬくぬくしたところなのかもしれません。
勉強すればするほど自分の力として使える
前項でも少し触れたとおり、定時上がりしかしていなかった僕ですが、残業に意義を見いだせずにいました。あ、もちろん残業マンセー!っていうわけではなくて、残業してまでする仕事なのかな、というのを考えずにいられなかったといいましょうか。
今の仕事は立場上コンサルタントということもあり、お客様より詳しい知識で、お客様を導いてあげなければいけません。
そのためには基本の知識勉強は必須ですが、それに加えた新しい手法のインプットを日々行っていきますし、媒体の日々のアップデートも追っかけていく必要があります。圧倒的に時間が必要。
ただ、それを学べば学ぶほどお客様へ提供できる情報が多くなり、自分の仕事としてもかなり回しやすくなってきます。
もしかしたらメーカー営業もそうなのかもしれないですが、メーカーという立場上、自社の商品をニーズに無理に合わせるという場面も少なからずあり、それがかなり負担でした。だからたぶん、代理店・コンサルタントという立場が自分にはあってるんだろうなぁ、と、深く思いました。
(広告)代理という立場の窮屈さ
もちろん、代理店という立場が全部良いこととは限りません。昨今では代理業という仕事がなくなっていくんではないか、と言われてるほどですが、そのとおりだと思います。
ただそれには少し語弊がありまして。例は広告代理業においてですが、広告代理業『だけの仕事』はなくなっていく、と思います。最終的には人基準、あの人に助けてもらったからということから始まる仕事というものがかなり多くなっていくのではないかな、とまで思います。
そうしたときに、人となりももちろんそうですが、スキルというものが人単位になってくるんじゃないかな、なんて思います。
メーカーも最終的にはそうかもしれません。D2C(Direct to Customer)という業務形態が増えてきている通り、製造したものを直接ユーザーが買える、というプラットフォームも増えるかもしれません。(ex.BULK HOMMEとかは有名ですよね。)
そうした感じで、今までの慣行業態から更に大きく変わっていくと予想されます。
メーカー→代理店→販売店なんていうくくりはなく、『欲しい人が、欲しい・やりたい・求めている会社に直接連絡して話が進んでいく』。そんなことも普通になっていくのかもしれません。
そうした意味で、代理店ではまだまだ関与しにくい部分というものもやはりあります。お客様のことを好きになり、お客様の情報をお客様より知っている。そんな愛はあるけど、実際に施策に関与しているわけではないというポジションに、最後の最後にはドギマギしてしまうかもしれません。
逆算の思考はどこまでもついてくる
ということで、途中自分でも混乱していましたが『なんで転職したのか』『転職してどうだったのか』について3つずつまとめてみました。
大事なのは、今の仕事でもよく言われることではありますが、結論どうなりたいかからの逆算の積み重ね、だと思います。
僕は将来、大阪に仕事という面で還元していきたいな、という大きな目標があります。そのために繰り返しになりますが知識を蓄えていく必要があります。
そういった感じで、最後の自分になるために、今の自分がやっていることが正しいことなのか?いまそんなことをしている時間があるのか?そういったことを考えてみたときに初めて転職という手段に頼るか…という流れです。
1年も経ってしまいましたが、転職して僕はめちゃくちゃいい人生です。色々苦労することはありますが、やりたいことをやれるって幸せだなと思いつつ頑張っていきたいと思います。
転職したての頃の雑記はこちら
なんかフレッシュな感じするけど、まぁペーペーですね。もっと成長せねばですね。